疑問や懸念がいっぱい

①「立ち退きを減らすために本線を地下化した」のに、なぜ地上部に「外環の2」を造る必要があるのか

・40年前の「外環」地上高架式の計画(大泉から世田谷まで約16 ㎞)は、地域住民の大きな反対にあい、長年凍結されてきました。こうした経過を受けて、石原都知事は「下をくぐる工法ですので、安心していただきたい」と説明、20074 月に全線大深度地下方式に変更する決定をおこないました。これによって、地上に外環本線があることを前提にした「外環の2」は、自動的に消滅したはず。ところが東京都は、高速は地下でも、地上部の計画も生きているというのです。

・埼玉外環は、大泉まで延伸する時に、大泉から県境までの区間、「外環の2」を廃止しています。

 

②大型道路が住宅地を通ることによる重大な生活破壊

東京都は、「外環の2」について、2013年12月に、

①原案通り幅40mでの地上部道

②道路幅を22mに縮小

道路幅を16mに縮小

の3案を示したうえで、反対の声を押し切って、翌春「幅22m」で整備する方針を決定しました。「代替機能を確保しての廃止」という案は、十分な検討もなされないまま否定されてしまいました。

 南北交通路の渋滞改善、震災の際などの延焼防止帯、緑地の確保などを道路建設の目的にあげていますが、地上部道路をあえて建設する理由としてはきわめて根拠が薄いといわざるをえません。

 例えば、南北交通路の需要予測は人口減・自動車離れの時代の流れを無視したものですし、渋滞の主因は踏切なので西武線が立体交差化されれば大半が解消されます。井草通りや上石神井通りなどの一部区間の拡幅整備や、上石神井駅北側の裏道整備によるバス通りの一方通行化など、既存道路の整備で十分に対応できるはずです。

 延焼防止帯とするには、震災時には動けなくなったクルマが連なり、それらがかえって「火の手に注ぐ油」になってしまいます。

 緑地としてみても、自動車がビュンビュン走る車道のあいだの緑地をいったい誰が利用するのでしょう? 前川練馬区長は「新しい発想で道路を整備」などといって外環の2の緑地効果をうたっていますが、緑地はやはり緑地として確保するべきではないでしょうか?

・道路計画が計画ができた50年近く前には考えられなかったほどびっしり住宅が建ち並んだ密集地を「外環の2」は通ります。当初の幅40mの計画で、立ち退きは練馬区内で900戸にものぼります(練馬区試算)。幅22mに縮小されたといっても、単純計算で500戸近くが立ち退きを迫られることになります。建設費用は、外環本線が1兆3000億円、外環の2が幅40m計画時点で約6000億円と言われました。幅22mに変更されてどうなるか、東京都は、「立ち退き戸数及び総事業費については、現在、道路の必要性やあり方などについて、広く意見を聴いている段階であり、現時点では算出しておりません」としています(2014年3月30日、「外環の2を考える住民の会」に対する東京都の担当課長の回答)

・周囲への騒音や大気汚染も心配です。練馬区の文書でも「沿道では排出ガスや騒音など影響が出る可能性がある」と認めています(「東京外かく環状道路に関する調査等に基づく今後の取り組みについて」(2004年5月19)

・道路脇は用途地域が変わり、高層のマンションや商業ビルが建つ可能性もあります。

 このように、静かな住宅地として成熟した「まちの環境」を破壊し、大金をかけて大型道路を造る必要性が、本当にあるのでしょうか?

③公園のそばを大型道路が通ることによる自然環境への悪影響

・近くには緑豊かな石神井公園・三宝寺池そして野鳥の森があります。工事中の騒音・自動車の排気ガスなどにより、生息する野鳥など生態系への影響が懸念されます。

 

④社会構造が変化した現在、半世紀近く前に立てられた計画が妥当なのか

・東京都は、「『環境』『防災』『交通』『暮らし』の4つの視点で検討を進めます」と言います。しかし、そうであれば、45年以上前の都市計画決定にかこつけて無理やり道を造るのではなく、最初から考え直すべきではないでしょうか。現在ある道路を拡幅するなどの選択肢もあるのではないでしょうか。

 

2011311日の東日本大震災は、東京都のみならず日本社会全体のビジョンを根本から再考せざるをえない契機となりました。緊急の課題とは言い難い(しかも不合理な)道路計画は凍結あるいは廃止し、該当予算は被災地復興支援のために割り当てるべきではないでしょうか。

・練馬区内の道路計画は、「外環の計画ありき」ではなく、住民本位で原点にたって行われるべきだと考えます。